屋外に置くとさびでボロボロに? バイクを安全に保管する3つの方法
バイクに乗る方にとって、バイクをどのように保管するかは重要な問題です。特に、雪の降る地域に住んでいる方は、毎年冬になるとバイクを保管しなくてはいけません。バイクはたいへんさびに弱いものです。上手に保管しないと大切なバイクがさびだらけになってしまいます。今回は、バイクを長期に亘って安全に保管する方法が知りたいという方のために、バイクを安全に保管する方法をご紹介しましょう。
1.バイクを保管する前に必要な準備
バイクは、何もした準備をせずにただしまえばいいというものではありません。本体をしまう前にガソリンやオイル、バッテリーなどを適切に処理しておく必要があるのです。保管前に適切な処置をとっておけば、バイクの寿命を伸ばし、長い間乗り続けることができます。
1-1.ガソリンを満タンにしてから保管する
「乗らなくなるのにどうしてガソリンを満タンにする必要があるの?」と思われるかもしれません。ガソリンを満タンにしておくのは、ガソリンタンクがさびないようにするためです。ガソリンがタンク内に充満していれば、さびの原因となる水分が入り込む隙間はありません。
ただし、一冬乗らずに放置していると、ガソリンは当然腐ってしまいます。春になってもそのまま乗ることはできないので注意しましょう。再び使う時期がきたら、ガソリンを新しいものに交換してから乗るようにしてください。
1-2.キャブレター内のガソリンを抜いておく
キャブレターとは、空気とガソリンを混ぜあわせる装置のことです。ちょうどエンジンとエアクリーナーボックスの中間に位置しています。この中にガソリンが入ったままだと、次に乗るときにガソリンが腐ってしまい、故障の原因になるので保管前に抜いておきましょう。
燃料タンクのコックをオフにした状態で、数分間アイドリングを続ければ自動的にガソリンは抜けていきます。もしくは、ガソリンを回収するための受け皿を用意し、キャブレターのドレンボルトをゆるめてガソリンを抜くことも可能です。楽な方法を選んでください。
1-3.バッテリーは外し、タイヤに空気を入れておく
エンジンを動かさない限り、バッテリーに蓄えられた電力が使われることはありません。ただし、バッテリーの電力は使用していない時期にも自然放電によって徐々に失われていきます。「久しぶりにバイクを動かそうとしたら、バッテリーが上がっていた」ということも考えられるので、事前に取り外しておきましょう。バッテリー単体で保管する前に、充電しておくのを忘れないでください。
「自然に失われていく」のは、バッテリーの電力だけではありません。タイヤに含まれる空気も同じように、乗らない時期にも自然に抜けていきます。タイヤを取り外す必要はありませんが、空気を入れてから保管するようにしましょう。
2.バイクを保管するために用意しておくべきもの
バイクを保管するにあたって、あったほうが便利な道具がいくつかあるのでご紹介したいと思います。バイクの各パーツに使用することで、さびや劣化を防ぎ、長持ちするように使うことが可能です。余裕があればぜひ使っておきましょう。
2-1.金属部分に防さびスプレーを使用する
そのものずばり、さびを防ぎたい部分に噴きかけるスプレーです。バイク車体のうち、塗装されている部分は塗装自体がさびから本体を守ってくれるので問題ありません。タイヤのホイールやマフラーなど、塗装されていない部分を中心に噴きかけましょう。塗装がはげている部分もさびる可能性があるので、念のために噴きかけておくと安心です。
防さびスプレーが有効なのは、バイク本体だけではありません。バイクを守るバイクカバーにかけておくのも有効です。本体とカバー、両方に噴きかけておけば、水分から車体の金属部分を二重に守ることができるでしょう。
2-2.チェーンはグリスアップしておく
バイクの中でも特にさびやすいのがチェーンです。チェーンには防さびスプレーを使用するだけでは不十分なので、グリスアップしておきましょう。
グリスアップとは、チェーンの各部位に潤滑油を補給することです。まず、チェーンを洗浄液に浸して日頃の汚れを落とします。その後はブラシでこすって汚れを落とし、布で拭き取りましょう。最後に潤滑油をチェーンに塗ればグリスアップは完了です。
2-3.長期保管にはエンジンオイルを活用する
一冬の保管ではなく、長期間バイクを保管する場合は、サビよけにエンジンオイルを使いましょう。バイクの車体そのもの、あるいはタイヤのようなゴム系部品の表面全体にエンジンオイルを塗っておくのです。もちろんベタベタになってしまいますが、バイク全体が油分で覆われるため、長期間の保管に向いています。「10年も保管していたら、ゴム系部品も交換することになるのでは?」と思われるかもしれません。しかし、オイルを塗っておくと交換がスムーズにできるので、どちらにしてもおすすめです。
また、長期保管の場合はエンジンにはガソリンを入れず、空っぽにして内部にエンジンオイルを塗っておきましょう。
3.バイクを安全に保管する3つの方法
バイクを安全に保管したいのであれば、屋外に保管するのは厳禁です。ガレージなど、雨風を凌ぐことができる屋内を選んで保存しましょう。しかし「屋内に保管できるような場所がない」という方も多いかと思います。この章では、場所がない方でも安全にバイクを保管できる3つの方法をご紹介しましょう。
3-1.バイクカバーを3重にかけて保管する
やむを得ず屋外に保管する場合は、野ざらしにするのではなくバイクカバーをかけてください。ただし、ただバイクカバーををかけるだけでは十分ではありません。上からの雨はしのげるかもしれませんが、地面から立ち上る水蒸気に対しては無力だからです。
あらゆる方向から進入してくる水分を防ぐには、バイクカバーを3つ、重ねがけしましょう。1枚目のカバーは上から普通にかけ、2枚目は反対にして下からかけます。その状態のままでは雨水が2枚目のカバーの内側にたまってしまいますから、最後に3枚目のカバーを上からかけて終了です。数年以上もの長期の保管には向きませんが、雪の降らない地域であれば一冬を越すくらいの期間であれば保管することはできます。
3-2.ガレージテントを利用する
「家にガレージはないが、あいているスペースならある」という方は、ガレージテントを利用してみましょう。
ガレージテントとは、車やバイクを保管しておくための専用のテントのことです。だいたい1~3万円の価格で購入することができます。前後左右をカバーできるため、雨風は十分に防ぐことが可能です。しかし、完全に密閉されているわけではないので、中に湿気がたまってしまうことも考えられます。定期的に中をチェックするなどして、バイクの状態を確認しておきましょう。
3-3.トランクルームを利用する
屋外にも屋内にも安全な保管場所がないという方には、トランクルームを利用することをおすすめします。トランクルームとは、普段使わないものを収納しておくことができる貸し倉庫のことです。倉庫ですので一定の広さはあり、バイクのように大きいものも十分に収納できます。当然、雨風はしのぐことができるので、屋内に保存するのと同じ効果を得ることができるでしょう。
まとめ
今回は、バイクの保管方法を知りたい方のために、バイクを安全に保管する3つの方法をご紹介してきました。
- バイクを保管する前に必要な準備
- バイクを保管するために用意しておくべきもの
- バイクを安全に保管する3つの方法
ちゃんとした準備をして、安全な場所に保管すれば、バイクがさびる心配はありません。ぜひ実行してみてください。