乾燥剤の再利用法をご紹介!種類とリサイクルのコツについて知ろう!
空気中から水蒸気などを吸収する物質を「乾燥剤」と言います。
一般的に、ものを保管するとき乾燥剤と一緒にいれるケースが多いでしょう。
しかし、乾燥剤も寿命があります。
寿命がきた乾燥剤は使えないと思いがちですが、再利用する方法はあるのです。
これから、乾燥剤の種類や再利用法、リサイクルする際の注意点について説明します。乾燥剤の再利用やリサイクルの方法を知りたい人はぜひ参考にしてください。
1.乾燥剤の種類
乾燥剤にはさまざまな種類があることをご存じでしょうか。
種類によって入っている成分も異なります。
正しく再利用するためにも、乾燥剤の種類や特徴を把握しておきましょう。
主に乾燥剤として使用している3種類を紹介します。
1‐1.お菓子などに入っている「シリカゲル」
お菓子などの食べ物によく入っている乾燥剤は「シリカゲル」と呼ばれるものです。
シリカゲルは、“空気を乾燥状態にする”特徴を持っています。
包装の中に入っている湿気・水分を吸収してくれるのです。
シリカゲルの主な成分は「二酸化ケイ素」になっています。
二酸化ケイ素と言っても、非常に純度の高い成分を使用しているのがほとんどです。純度はおよそ99%と非常に高いのも特徴の1つになります。
シリカゲルは乾燥剤の中でも比較的再利用しやすいタイプです。
湿気や水分を吸収するシリカゲルには、たくさんの水分が入っています。
しかし、加熱することで入っている水分がそとに出て吸湿機能が再び高まるのです。
1‐2.強いアルカリ性物質の「石灰乾燥剤」
シリカゲルと同じくらい多く使用している乾燥剤が「石灰乾燥剤」です。
石灰乾燥剤は、強いアルカリ性と言う特徴を持っています。
強いアルカリ性物質で吸湿力が非常にすぐれているのです。
吸湿力はシリカゲルと同じ特徴ですが、1度吸湿すれば再び吸湿機能を取り戻すことはできません。効果は1度きりの乾燥剤になるでしょう。
また、生石灰が入っている石灰乾燥剤は水にぬらすと危険です。
急に熱を出してやけどをする恐れがあります。
もし、皮膚や洋服についた場合はすぐにふき取ってください。洋服は素早く着替えましょう。
目や口に入ると非常に危険なので、取り扱いに注意しなければなりません。
1‐3.食品を湿気から守る「脱酸素剤」
乾燥剤として広く使用している3つ目が「脱酸素剤」です。
脱酸素剤は、包装の中にある酸素を吸着する効果があります。
酸素を減らすことで食品の新鮮さを保っているのです。
脱酸素剤の主成分は、還元鉄の粉になります。ほとんど使い捨てタイプのカイロと同じ成分になるでしょう。
脱酸素剤の再利用は、シリカゲルと比べると可能性は低くなります。
しかし、賞味期限がすぎていない場合は再び乾燥剤として使用できるでしょう。
以上の3種類を紹介しましたが、乾燥剤はほかにも石炭などの種類があります。
種類によって再利用に向いているかどうか異なるので要注意です。再利用するなら、向いている乾燥剤を使いましょう。
2.乾燥剤の再利用法
2‐1.ガーデニングの肥料として再利用する
乾燥剤の再利用法はさまざまです。
ガーデニングをしている人にぜひおすすめしたいのが、「肥料」として再利用する方法になります。
乾燥剤の中にはガーデニングの肥料として再生できるものもあるのをご存じでしたか?たとえば、生石灰が入っている石灰乾燥剤です。
使用した石灰乾燥剤はすでに“消石灰”になっています。
吸湿機能はありませんが、土量改良の効果は抜群です。
強いアルカリ性を持っているため、土壌の中にカルシウムが補給できます。
肥料としての使い方はとても簡単なので安心してください。
石灰乾燥剤の袋をあけて土に混ぜるだけでOKです。
ただし、生石灰は水が加わると熱を生み出します。やけどをしないように軍手をしてから取り扱ってください。
2‐2.食品や衣類などの湿気取りに再利用
乾燥剤の「シリカゲル」は、再び乾燥剤としての役割を果たすことができます。
袋をあけてフライパンでゆっくり加熱してください。
シリカゲルが全体的に青色へ変化したら加熱をやめます。
ある程度あら熱を取ったら密封容器に保存してください。
そして、利用する際は不織布のパックなどにいれて再利用します。
中には、電子レンジで温める人がいるでしょう。
電子レンジでも加熱はできますが、破裂する恐れがあります。安全のためにもフライパンで熱してください。
さらに、再生したシリカゲルを利用すれば、食品や衣類などの湿気取りに役立ちます。塩や砂糖などは湿気によってカチカチに固まってしまうでしょう。
そこで、シリカゲルが入っている袋を投入してください。
サラサラの状態に戻って使いやすくなりますよ。
湿気が増える梅雨の時期は、ブーツや靴の中がむれるものです。
帰宅してからシリカゲルの袋をいれておけば、湿気を吸い取ってくれます。
以上のように、上手に再利用していきましょう。
3.乾燥剤をリサイクルする際の注意点
3‐1.誤って吸いこむ、飲みこまない
乾燥剤をリサイクルするとき、注意点を踏まえておかなければなりません。
乾燥剤自体に強い毒性はありませんが、誤って吸いこんだり、飲みこんだりすると危険です。
できるだけ、目に入らないよう気をつけて扱ってください。
もし、誤って飲みこんだときはすぐにうがいをしましょう。
うがいをした後、水や牛乳、お茶を飲むといいですよ。
目に入ったときは、水で洗い流してください。
つい目をこすってしまいますが、こするのは逆効果です。決してこすらず、水道水で洗い流すだけにしましょう。
特に、子どもがいる家庭は注意しなければなりません。
誤って子どもが飲みこんだという事故がたくさん起きています。慌てて吐き出そうとしてしまいますが、逆に熱でやけどしてしまうでしょう。
決して、慌てずにすぐ病院へ行ってください。
3‐2.シリカゲルを再生する際の注意点
シリカゲルの吸湿効果を再生するため、フライパンで熱するとき注意が必要です。
高い温度で長時間熱してしまうとシリカゲルがこげてしまいます。
1度シリカゲルがこげてしまうと塩化コバルトの紺色にそまってしまうでしょう。
本当に吸湿効果が戻っているかどうか確認できません。
また、こげたシリカゲルは廃棄するしかないです。
無駄にならないよう、熱を加える温度と時間を調節してくださいね。
そして、シリカゲルが高温になっているときは湿気を放出しています。
湿気が放出した後、少し温かい状態になってから袋にいれるといいですよ。
完全に冷めてしまえば、吸湿効果が低くなってしまうので注意してくださいね。
密封容器にいれるタイミングも大切な要素になります。
4.まとめ
乾燥剤の種類や再利用法、リサイクルする際の注意点について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
乾燥剤の種類によって再利用に向いている、向いていないものにわかれます。
上手に再利用するためにも、乾燥剤の特徴を把握しなければなりません。
そして、再利用に向いている乾燥剤を上手に活用していきましょう。
乾燥剤の中でも「シリカゲル」は再利用しやすいのでおすすめです。
再利用する際は、誤って飲みこむ、吸いこまないようにマスクやゴーグルをしてください。
近くに子どもがいる場合は特に要注意です。
安全をしっかり確保したうえで乾燥剤を再利用していきましょう。