機密文書の保管方法とは! 法律による保存期限や電子化などを解説
機密情報の漏洩(ろうえい)が問題視され、文書の取り扱いが厳しくなりました。文書の保管については、決まりがあることをご存じですか? 文書保管期間を定めた法律もあり、約束事はきちんと守らなければなりません。しかし、文書は日々出るもので、保管場所で困ることが多いものです。管理が不十分では、機密情報が漏(も)れてしまう危険性もあります。
「文書の保存について知りたい」「安全に預けられる場所はないか?」など、文書保管に関する疑問は自然と生じることでしょう。大切な情報が記載されているのですから、セキュリティー面も意識しておきたいですよね。
今回は、機密文書の保管についてご紹介します。膨大な量の文書を保管する場所で困っている方は、この記事を参考にすることで保管方法や保管に関するアイデアを得ることができるでしょう。
機密文書は絶対に流出を防がなければなりません。文書箱に入れたまま放置していたという方は危険です。また、文書はデータ化などコンパクトに保管する方法もあります。この記事でさまざまなアイデアを身につけてください。
1.文書の保管について
文書保管に触れる前に、文書とはどのようなものがあるのか、保管期限といった決まりについてご紹介します。
1-1.文書とは?
企業で使う文書は、顧客情報・社員情報・資料・経理書類・見積書・請求書・契約書・覚書・決算書・役所への提出書類などさまざまなものがあります。中には取引先の情報が含まれているものもあり、自社の機密情報だけの問題ではないものです。
保管すべき文書は、法律に定められている保管期限があるもので、法定保存文書と呼ばれるものにあたります。日々に資料など廃棄しても差し支えないものは含みません。
1-2.文書保管の重要性
法定保存文書といった決まりもあり、定められた期間は保管するべきとされています。監査などが入った際に提示する義務もあるのです。また、自社だけではなく、他社の情報も含む文書も多いことから、情報漏洩(ろうえい)で多大なリスクを背負う危険性もあるため、保管はきちんと管理して行わなければなりません。
1-3.文書保管の決まりごと
文書保管期間というのは、いくつかの定義があります。2年・3年・5年・7年・10年という区切りで、文書の種類によって分けられているのです。中には永久保存すべき文書もあります。
1-4.文書保管の困りごと
1-4-1.場所がない
企業で使う文書には、分厚く場所を取るものもあります。決算書は中でも膨大な量になりやすく、保管期間も長い部類に入るものです。日々の業務で文書はどんどん増えていくため、保管しておく場所がなくなって困るという悩みは多いでしょう。
1-4-2.使用頻度が少ない
保存文書は、役割を終えた書類がほとんどです。提示を求められたときに用意する以外は、あまり使用する機会がないでしょう。使用頻度が少ないにもかかわらず、保管しなければならないというのも悩みとして挙げられます。
1-4-3.保存しておかなければならない
前述したとおり、文書は保管期間が定められているため、安易に廃棄することができません。役割を終えた文書であれ、保管する義務があります。
1-4-4.電子化できない
取引先から預かった請求書・見積書・契約書などは、自社で電子化できないものです。文書のまま保管することが必要になり、コンパクトに保管できないのも悩みでしょう。
1-4-5.機密文書がある
取引先の情報も含むなど、慎重な取り扱いが求められる機密文書は、管理の行き届いた環境での保管が必要です。漏洩(ろうえい)した場合、改ざんや隠匿など事件に発展するリスクもあります。また、企業してのコンプライアンスが問われる事態となるため、文書箱に雑多に入れて保管するべきではなく、適切な場所での保管が理想でしょう。
2.文書の保管方法について
文書保管の方法や保管に関するアイデアをご紹介します。
2-1.一般的な保管方法
2-1-1.倉庫
会社で契約した倉庫に保管する方法を採る場合もあります。倉庫の環境によっては、空調管理やセキュリティー面で不安が残る場合もあるものです。信頼できる倉庫との提携が必要でしょう。
2-1-2.電子化
自社で作成した文書については、電子化という手段があります。機密文書であれ、電子化してしまえば、コンパクトに保管しておくことが可能です。電子化した後は、機密文書リサイクルサービスや機密文書溶解などで廃棄すれば、保管に迷わなくて済みます。
2-1-3.保管のアイデア
社内で保管する場所というのは限られているものです。保管室や保管庫を保有している企業でも、永久保存書類や長期保管が求められる文書が増えれば、保管場所を探さなくてはいけません。トランクルームなど管理が行き届いたスペースと提携し、文書を管理してみてはいかがでしょうか? 電子化したものも同時に保管でき、安全面でも配慮されているため、情報漏洩(ろうえい)のリスクも少ないものです。
2-1-4.保存箱
保存箱は、文書箱とも呼ばれるものです。雑然としやすい文書類をまとめて入れておく、一時的な収納であり、数が増えれば場所を占領してしまいます。保存箱のまま、倉庫やトランクルームなどに移動するというのも1つの方法です。
2-2.保管場所について
2-2-1.倉庫を増やす
提携する倉庫を増やす方法が手軽ですが、場所が分散すれば管理しにくいというデメリットがあります。なるべく業者は1つに絞り、文書をまとめて保管しておけるようにしなければなりません。
2-2-2.トランクルームなどの活用
トランクルームは近年増え続けており、監視カメラの設置や警備会社との提携により、安全性が最も高いとされている保管方法です。同じ場所にいくつもスペースがあり、広さも1つずつ異なります。文書の量に応じて、広さを選択することができるため、企業の文書管理には最適です。
3.文書の保管ができるトランクルームについて
前項にて、トランクルームは文書保管に最適とお伝えしました。トランクルームはとても利便性が高い保管場所です。活用法などを理解し、文書保管に役立ててください。
3-1.文書保管に向いているトランクルームとは?
情報漏洩(ろうえい)の危機を回避するため、セキュリティー面に十分配慮したトランクルームを選ぶべきです。トランクルームには屋内型と屋外型があります。文書保管は、外部の人間が入り込めない室内型を利用することが理想です。空調管理もしっかりしているため、文書の劣化を防ぐことができるでしょう。
3-2.どんな場合にトランクルームでの文書保管がおすすめか?
社内での文書保管が限界に達したときは、トランクルームに移動するといいでしょう。企業内漏洩(ろうえい)なども問題になっているため、誰でも出入りできる環境で保管を余儀なくされてしまうようであれば、トランクルームを利用した方が安全です。
3-3.文書保管をトランクルームに依頼するメリット
第三者の目に触れにくいため、情報漏洩(ろうえい)や盗難といったリスクが少ないのが、トランクルームのメリットです。鍵とセキュリティーシステムで、二重に安全が保(たも)たれています。何より、空調管理もしっかりしており、衛生的な環境で保管が可能です。永久保存文書も劣化を防ぐことができるでしょう。機密文書を1箇所に集約して保管できるのも、トランクルームを利用する魅力です。長期保管契約も可能で、ニーズに合わせた使い方ができます。
3-4.トランクルームの料金
企業が集まる都心を中心にトランクルームを展開するアルファトランクについてご紹介します。下記は料金の一例です。
- 中央区内幸町・虎ノ門(1帖) 19,980円
- 千代田区三番町(1.7帖) 29,160円
- 渋谷区神宮前(3.1帖) 70,200円
- 世田谷区三軒茶屋(0.9帖) 17,980円
- 新宿区高田馬場(1.3帖) 20,736円
いずれも月額利用料で、税込みとなっています。キャンペーンで使用料の割引を受けられる期間もあるため、上手に活用してみてください。
3-5.トランクルーム利用の流れ
アルファトランクのホームページより利用場所と部屋を選んでいただき、お問い合わせフォームよりご一報ください。下記の流れに沿って、ご利用開始となります。
- 申込書・契約に関する確認事項をメールまたはFAXにて送付
- 申込書・本人確認書類をメールまたはFAXで返送
- 契約担当者よりご連絡
- 精算書をメールまたはFAXにて送付
- 入金確認
- 鍵・契約書・口座引落書類を宅配便にて送付
- 契約書1部・口座引落書類・本人確認書類の写しを返送
- 利用開始
ご不明な点は、お気軽に弊社までお問い合わせください。
3-6.文書保管を依頼するトランクルーム業者選びのポイント
事前に現地見学を実施している業者は、保管状況などを自分の目で見ることができるため、安心して利用できるでしょう。対応や質問への回答が迅速であれば、セキュリティー面での配慮も細やかだと捉(とら)えられます。空室が長く続く場合や利用者が少ないトランクルームは、問題がある場合もあるものです。設備などをチェックし、納得できる業者を選んでください。
3-7.文書保管をトランクルームに依頼するときの注意点
トランクルームは、倉庫業者が運営していた時期がありました。そのため、場所だけを提供するという概念が残っている業者もあり、重要な荷物を預かる意識が欠けていることがあります。設備や環境に自信を持って運営する業者を見極め、文書保管で思わぬ事件が起こらないよう、利用者も業者を選ぶときは慎重にならなくてはいけません。
4.文書の保管でよくある質問
機密文書の保管は、慎重かつ安全な取り扱いが求められます。質問集を参考に、文書保管のヒントを身につけてください。
4-1.文書を電子化するメリットは?
電子化により、コンパクトに保管しておけるだけではなく、車内でのデータを共有できるメリットがあります。機密文書をほかの人と共有したくない場合は、閲覧制限を設けることで安全に保管できるでしょう。
4-2.トランクルームには外部の人は立ち入らない?
清掃や設備チェックのため、立ち入る可能性はあるでしょう。そのため、機密文書を保管する場合は、警備会社との連携や防犯カメラの設置を徹底している業者を選ぶ必要があります。盗難や情報流出などを防ぐため、業者の安全への意識が高いことが重要となるのです。
4-3.機密文書のリサイクルサービスとは?
個人情報や企業情報が詰まった機密文書を回収し、溶解処理をしてリサイクルするというサービスです。運送業者を中心に行っている取り組みで、回収からリサイクルまで一括して依頼できます。本来なら1つずつシュレッダーをかけて廃棄すべきところを、業者が溶解処理することで、廃棄にかかる手間を削減できるのです。溶解処理後は、トイレットペーパーなどに再生されます。
4-4.文書の保存期間を定めている法律とは?
文書の種類により、法定保存期間を定めている法律は異なります。法人税法・労働基準法・会社法・健康保険法など、多岐に亘(わた)るものです。
4-5.電子化できない文書とは?
決算書類・帳簿・3万円以上の取り引き内容が記載された契約書や領収証などです。電子化ができないため、文書のまま保管することとなっています。
5.まとめ
いかがでしたか? 機密文書は、自社の情報だけではなく、取引先に関する情報や社員情報など多岐に亘(わた)り、情報漏洩(ろうえい)がないように保管しなければなりません。文書保管期間は2年・3年・5年・7年・10年という区切りで、永久保管が求められるものもあります。法定保管文書と呼ばれるもので、法律に定められた期間は必ず保管すべきとしているのです。とはいえ、社内ですべての文書を保管しておくことはスペースの問題もあって難しく、保管場所には困ることが多いでしょう。文書の中には電子化ができないものもあります。保管場所として最適なのは、空調管理が行き届き、セキュリティーが万全なトランクルームです。トランクルームはニーズに合わせて場所や広さを選ぶことができます。空調管理がなされているため、文書の劣化も防ぐことができるでしょう。トランクルームを利用する前は、業者の対応や安全への取り組みに関する姿勢をよく見て判断することが、大切な文書を安全に保管するために重要です。機密文書の取り扱いは慎重に行い、管理が行き届いた環境で保管するようにしましょう。